DeLonghi

デロンギ マグニフィカS ECAM23120レビュー|5年使ってわかった7つのデメリット

しょーご

在宅勤務をしていると、コーヒーを淹れに立つ時間って地味に馬鹿にならないんですよね。

豆を挽いて、お湯を沸かして、蒸らして……とやっていると、あっという間に5分10分が溶けていきます。1日3杯飲むなら、それだけで30分。集中していたところをブツッと切られる感覚も含めて、なかなかに損をしている気がしていました。

そこで2020年12月に導入したのが、デロンギの全自動コーヒーマシンマグニフィカS ECAM23120です。執筆時点で約5年7ヶ月、1日最低3杯を淹れ続けています。

この記事では、スペックの紹介はほどほどに、5年以上使ってわかった手入れの現実・経年劣化・実際のランニングコストを正直に書きます。特にデメリットは全部書きます(けっこうあります)。

目次

結論:在宅ワーカーなら買う価値あり。ただし「手入れの面倒くささ」を許せる人限定

先に結論です。

マグニフィカSの本当の価値は「味」ではなく「1分弱で1杯が終わること」でした。ボタンを押してカップを置いて、席に戻るまでが最短で済む。在宅勤務の集中を切らさない道具として、5年7ヶ月使った今でもこれ以上のものは見つかっていません。

ただし、手入れは正直めんどくさいです。水受けトレーは洗いにくいし、油断するとカビます。動作音もそれなりに大きい。ここを許容できるかどうかで、評価がまっぷたつに分かれる機種だと思います。

  • 向いている人:在宅勤務で1日2杯以上飲む/味より「早さ」を優先したい/多少の手入れは受け入れられる
  • 向いていない人:1日1杯以下/設置場所が寝室やリビングの近く/家電の手入れが心底嫌い/豆の鮮度に神経質

「在宅で何杯も飲むけど、その都度ドリップするのが地味に手間……」

「デロンギは手入れが面倒って聞くけど、実際どのくらい?」

「そもそも今から買うなら、どのモデルを選べばいいの?」

この記事を読むと、こういったことがわかります。

  • 抽出にかかる実測時間と、それが在宅勤務でどう効くのか
  • 5年7ヶ月使った実際のランニングコスト(1杯あたりいくらか)
  • 使い続けたからこそ言える、正直なデメリット7つ
  • 5年使った耐久性と、一度だけあった不調の話
  • ハンドドリップとの使い分け
  • ECAM23120はもう新品が手に入らない。今買うならどのモデルか

デロンギ マグニフィカS ECAM23120の基本スペックと筆者の使用環境

まず前提の共有です。細かいスペック解説は他サイトにお任せして、判断に必要な分だけ載せます。

型番 ECAM23120(マグニフィカS)
発売 2013年(10年以上続いたロングセラー)
本体サイズ 幅238×奥行430×高さ350mm
重量 約9kg
給水タンク 約1.8L
ポンプ圧 15気圧
メニュー エスプレッソ/カフェ・ジャポーネ/カフェ・ルンゴ
ミルク 手動ミルクフロッサー(フロス調整つまみ付き)

ポイントは奥行430mmです。数字だけ見るとピンと来ませんが、実物はけっこう場所を取ります。設置場所は先に測っておいたほうがいいです(筆者は測らずに買って、置き場所をあとから考えました)。

受け皿までだとかなり奥行きが必要

筆者の使用環境はこんな感じです。

  • 購入:2020年12月/購入価格 約75,000円
  • 使用期間:執筆時点で約5年7ヶ月
  • 設置場所:パントリー(仕事部屋・リビングとは別の場所)
  • 使用頻度:筆者だけで1日最低3杯(妻も飲むので、マシンとしてはもっと動いています)
  • 飲み方:9割がエスプレッソ。カフェ・ジャポーネはほぼ使いません
  • 豆量設定:基本は最大(味優先。ここが後述のコスト計算に効いてきます)
  • 使う豆:KIRKLAND フレンチローストコーヒー(1.13kg/約4,550円)


在宅勤務で効いたのは「1分弱」|席を立つ時間が最小になる

エスプレッソ一杯一分かからないのはすごい

この記事でいちばん伝えたいのがここです。

スタンバイ状態からボタンを押して、淹れ終わるまで実測で約52秒。1分かかりません。電源オフの状態からでも、内部洗浄を挟んで2分前後です。

なぜこれが効くのか。理由は単純で、在宅勤務における「離席時間」がほぼゼロになるからです。

ハンドドリップだと、湯を沸かして・挽いて・蒸らして・注いで、で5分前後。その5分間、頭は完全にコーヒーモードに切り替わります。戻ってきたときに「あれ、何やってたっけ」となる、あの感じです。

マグニフィカSの場合は、カップを置いてボタンを押し、その場で50秒ほど待つだけ。実際には抽出中にスマホを見るでもなく、ぼーっと立っているだけの1分弱です。思考が途切れない範囲で1杯が完成するというのが、5年7ヶ月使って一番ありがたかった点でした。

1日3杯として、ドリップなら15分、マグニフィカSなら約2分半。年間に直すと、なかなかに馬鹿にできない差です。

ちなみに味は、コンビニコーヒーよりは明確に上、専門店のハンドドリップには及ばない、という位置付けです(このへんは後述します)。豆を挽くところから抽出まで全自動なので、挽きたてであることは間違いありません。

めちゃくちゃ綺麗にクレマができます

マグニフィカSのランニングコストは?1杯あたり約50円の内訳

「本体7〜8万円は高いのでは」という点、正直に計算します。

先に断っておくと、ここで出す数字は、他所でよく見る試算よりだいぶ高いです。理由もセットで書きます。

前提:筆者は「エスプレッソ・豆量最大」で飲んでいる

筆者の飲み方は9割がエスプレッソ。しかも豆量は基本、最大設定にしています。

ECAM23120のエスプレッソは、豆量つまみを最大にすると1杯あたり約11gの豆を使います(最小だと7g前後)。抽出量は1杯[多]の約120ml設定です。ここが試算のスタート地点になります。単純に、薄めで飲んでいる人の1.5倍くらい豆を食う設定ということです。

豆代は1杯あたり約44円

筆者が使っているのは、コストコやAmazonで買えるKIRKLANDのフレンチローストコーヒー。1.13kgで約4,550円(1gあたり約4円)です。

左のやつをいつも買ってます

1,130g ÷ 11g で、1袋あたり淹れられるのはおよそ100杯。つまり豆代は1杯あたり約44円という計算になります。

筆者に加えて妻も飲むので、実際には1袋がだいたい3〜5週間でなくなる感覚です。

本体の償却は1杯あたり約8〜12円

本体75,000円を、5年7ヶ月(67ヶ月)で割ると月あたり約1,120円。1日3〜5杯として累計6,000〜10,000杯なので、1杯あたり8〜12円です。

合計すると1杯あたり約50円

豆代44円+本体償却10円前後で、1杯あたりおよそ50円台。あくまで概算で、電気代と水道代は含んでいません。

参考までに、コンビニのホットコーヒーは執筆時点でセブンカフェのRサイズが140円、ファミマのSが150円、ローソンのSが160円です。筆者の1杯(約120ml)は、ほぼ同じサイズで約50円。おおよそ3分の1ということになります。1日3杯以上飲むなら、本体代は十分にペイする計算です。

ただ、ネットでよく見る「全自動なら1杯20円」みたいな試算よりは、はっきり高いです。

理由は上に書いた通りで、豆量を最大にしているから。つまみを絞れば1杯30円台には収まりますが、筆者は味のほうを取りました。コストを最優先するなら豆量設定で調整できる、という事実も含めて書いておきます。

ただし「大袋の豆をどう保存するか」という問題は残る

ここは正直に書いておきます。1.13kgの大袋を買うと、本体の豆ホッパーにもキャニスターにも入りきりません。筆者宅では、入らなかった分は袋のまま保管しています。

ホッパーはそこまで大容量ではない

豆は一般に開封後30日以内の消費が推奨されます。筆者宅は消費が早いほうなので3〜5週間で1袋を使い切りますが、それでも後半の豆は鮮度的にベストとは言えません(十分おいしくは飲めています)。

キャニスター入れても全然入りきらない。

112杯しか飲まない家庭が1.13kgの大袋を買うと、確実に飲み切る前に鮮度が落ちます。大容量が得なのは、あくまで大量に消費する家庭の話です。ここは正直に書いておきます。

5年以上使ってわかったマグニフィカSのデメリット7つ

ここからが本題です。良いところだけ書いても読者の役に立たないので、5年7ヶ月使って感じた不満を全部書きます。

1. 水受けトレーがとにかく洗いにくい

最大の不満はこれです。

抽出のたびに水受けトレーにコーヒーかすが落ちるのですが、形状が複雑で、手もブラシも届かない場所がいくつもあります。こすり洗いが必要なのに、こすれない。5年経っても慣れませんでした。

コーヒーカスがこびりつく。突起が多くめちゃくちゃ洗いにくい

2. こまめに捨てないとカビる

1と地続きの話ですが、コーヒーかすが溜まる場所は、梅雨時だとあっという間にカビます。数日放置するとアウトです。

これは筆者の管理が悪い面も正直あります(毎日捨てればいい話ではあります)。ただ、「毎日必ずやる家事がひとつ増える」というのは、買う前に知っておいたほうがいい事実だと思います。

汚くてすみません。でもこんな感じですぐカビます。

3. 注ぎ口のメッキが経年で剥がれてきた

5年使ったからこそ言えるポイント。コーヒーの注ぎ口のメッキが、少し剥がれてきました

機能には全く影響しませんが、見た目は気になります。長く使うつもりなら、こういう経年劣化はあると思っておいてください。

経年劣化ですね。下地が見えてます。

4. 注ぎ口まわりにコーヒーが跳ねる

抽出時、注ぎ口の周辺にコーヒーが跳ねます。これは全自動マシンの宿命というか、価格.comのクチコミでも同じ指摘を見かけるので、個体差ではなさそうです。

筆者の機体は白いボディなので、汚れがかなり目立ちます。拭けば取れますが、拭かないと確実に茶色い点々が育っていきます。白を選ぶ方は覚悟してください(筆者は覚悟していませんでした)。

結構汚れます。こまめな掃除が必要

5. ミルクフォーマーのノズル内のゴム部品が、細くて洗いにくい

ミルクを泡立てるノズルの内側に細いゴム部品が入っているのですが、これがミルクに浸るので毎回洗う必要があります。そして、細すぎて手ではまともに洗えません

筆者宅ではここだけ手洗いを諦めて、食洗機に放り込んでいます。

なお、この不満は上位モデルの「ラテクレマ」搭載機なら解決します。ボタンひとつで自動洗浄してくれるので、そもそも手で洗う必要がありません。ミルクメニューを毎日飲むつもりの人は、後述する後継モデルの項目を先に読んでください。

右のゴムの部品が特に洗いにくい

6. 動作音がうるさい

豆を挽く音は、正直うるさいです。「静音」を期待して買うと確実に裏切られます。

筆者はパントリー設置なので全く気になりませんが、同じ部屋で子どもが寝ている環境なら、使用を躊躇うレベルだと思います。早朝や深夜に使うなら、設置場所は真剣に考えたほうがいいです。

慣れはします。ただ、慣れる前提で買うものではありません。

7. 除石灰(カルキ抜き)が面倒

半年に1回程度、除石灰の作業が必要です。専用の除去剤と、大量の水を受ける容器を用意して、手順通りに進める。これがとにかくだるい。

しかも頻度が低いせいで、毎回やり方を忘れます。そのたびに説明書を引っ張り出しています。

放置するとエラーが出て使えなくなるので、避けては通れない作業です。

5年使って故障なし|耐久性と、一度だけあった不調

デメリットを並べましたが、5年7ヶ月使って大きな故障はゼロです。ここは素直に評価できます。毎日3回動かしている家電で、5年以上ノートラブルというのはなかなかのものだと思います。

唯一の不調は、極端に寒い日に抽出が悪くなり、ポタポタとダラダラ出るような状態になったこと。一瞬「壊れたか」と焦りましたが、室温が戻ったら自然に回復しました。故障ではなかったようです。

寒冷地や、暖房を切った部屋に置いている方は、同じことが起きるかもしれません(が、暖まれば直ります)。

ハンドドリップとどう使い分けている?

右側がハンドドリップ器具

筆者はTIMEMOREのハンドグラインダーやORIGAMIのドリッパーも持っていて、在宅勤務中に毎日どちらも使っています。両方を日常的に使っている人はあまり多くないと思うので、使い分けを書いておきます。

  • ハンドドリップ=ある種の贅沢。時間も手間もかける。気に入った産地の浅煎り豆の香りを、じっくり楽しむための1杯です。
  • デロンギ=コンビニコーヒー的な位置付け。早さとそこそこの質を取りたいときの選択。仕事の合間はほぼこちらです。

つまり、デロンギはハンドドリップの上位互換ではありません。役割が違います。

「全自動マシンを買えばハンドドリップは要らなくなる」と思っている方には、そうはならないですよ、と正直にお伝えしておきます。逆に言えば、「早くてそこそこ美味しい1杯」という需要が明確にあるなら、これ以上の道具はないということでもあります。

集中して仕事をする環境づくりという意味では、FLEXISPOT E7の電動昇降デスクソニー WH-1000XM6と同じカテゴリの投資だと考えています。

ハンドドリップとは明確に役割が異なる

ECAM23120は新品がほぼ流通していない|今から買うならどのモデル?

ここで残念なお知らせです。

筆者が使っているECAM23120は2013年発売のロングセラーですが、現在は価格.comに価格情報の登録がなく、新品の流通はほぼ終了しています

中古は出回っていますが、5年以上使った経験から言って、消耗品の塊であるコーヒーマシンの中古はおすすめしません。

というわけで、今から買うなら現行モデルからの選択になります。用途別に2つ挙げます。

ブラック中心なら「マグニフィカ スタート ECAM22020」

筆者の機体にいちばん近いポジションが、2023年11月発売の!マグニフィカ スタートECAM22020です。

  • メニューはエスプレッソ/スペシャルティ/カフェ・ジャポーネの3種
  • 操作はタッチパネル。豆量は3段階から選択
  • 電源オン/オフ時に自動で内部洗浄
  • ミルクは手動フロッサー(=筆者の機体と同じ方式)
  • 執筆時点の価格.com最安は約8万円前後(セール時は6万円台まで下がることも)

価格.comのコーヒーメーカー売れ筋ランキングでも常に上位、レビュー評価も4.7台と高い定番機です。ブラックコーヒー中心で、ミルクはたまに使う程度という方は、素直にこれでいいと思います。

ミルクを毎日飲むなら「ラテクレマ」搭載機を強く推します

デメリット5で書いた「ミルクノズルのゴム部品が洗いにくい」問題。これを根本から解決するのが、自動ミルク泡立て技術「ラテクレマ」搭載機です。

手動フロッサー(ECAM23120・ECAM22020)は、使うたびにノズルを拭いてスチームですすぐ必要があります。対してラテクレマ搭載機は、ミルクコンテナごと自動で洗浄してくれます。

ここが今回の記事で一番の発見なのですが、ラテクレマ搭載の「マグニフィカ スタート ECAM22062B」は執筆時点で約84,800円。ECAM22020との差額は5,000円前後しかありません

正直に言って、カフェラテやカプチーノを週に何回か飲むつもりなら、この差額は一瞬で元が取れます。筆者が5年間ちまちま洗い続けたあの細いゴム部品を、5,000円で回避できるなら安いものです。

さらに上を見るなら、6メニュー対応の「マグニフィカ イーヴォ(ECAM29064SB/ECAM29081TB)」もあります。こちらは13万円前後のクラスになるので、ミルクメニューをとことん楽しみたい人向けです。

※価格・在庫は変動します。購入前に必ず最新の価格をご確認ください。

マグニフィカSはどんな人に向いている?向いていない人は?

向いている人

  • 在宅勤務で1日2杯以上コーヒーを飲む人:離席時間の削減効果がそのまま効きます
  • 味より「早さ」を優先したい人:1分かからず終わるという価値は、使うほど効いてきます
  • キッチンやパントリーなど、作業スペースと離れた場所に置ける人:動作音の問題が消えます
  • コスト回収を計算したい人:豆量最大でも1杯50円前後。コンビニコーヒーの3分の1程度です

向いていない人

  • 1日1杯以下の人:手入れの手間に対して見返りが小さすぎます
  • 寝室やリビングの近くにしか置けない人:グラインダーの音は想像以上です
  • 家電の手入れが心底嫌いな人:水受けトレーと毎日向き合うことになります
  • 豆の鮮度に神経質な人:大袋を長期間かけて消費するスタイルとは相性が悪いです
  • 設置スペースに余裕がない人:奥行430mmは本当に場所を取ります

総評:これは「コーヒーマシン」ではなく「集中を切らさないための道具」

5年7ヶ月、6,000杯以上を淹れてきて思うのは、マグニフィカSは味を追求するための機械ではないということです。

味を追求したいなら、ハンドドリップのほうが上です。筆者自身、いまだに毎日ドリップもしています。

ではこのマシンの価値は何かというと、「席を立ってから戻るまでの時間を、限りなくゼロに近づけること」に尽きます。在宅勤務で、集中が切れることのコストを知っている人にとって、これは7〜8万円を出す価値のある機能です。

逆に、1日1杯しか飲まない人や、置き場所に制約がある人には、手入れの手間だけが残ります。そこは正直、はっきり分かれます。

デメリットを7つも並べたうえで、それでも筆者は5年7ヶ月使い続けていますし、壊れたら同じ系統のモデルを買い直します。それが答えかなと思います。

デスク環境全体の話は在宅ワーク用デスク環境まとめにまとめていますので、あわせてどうぞ。

この記事が皆様のお役に立てば幸いです。

ABOUT ME
しょーご
しょーご
ITリーマン兼ブロガー
ガシェットと柴犬を愛するIT企業に勤めるサラリーマン。
実際に自分で使用したガシェットのレビューを中心にブログを書いています。
記事URLをコピーしました